売れるPOPの作り方!感性マーケティングを活用した「顧客の心を動かす」POP作りの秘訣
- 中小企業診断士 田村雅紀
- 2024年8月5日
- 読了時間: 5分
中小企業の経営者の皆様、経営において「売れる商品」を作り出すことはもちろん重要ですが、その商品の魅力を最大限に引き出し、顧客に伝える手段も同様に重要です。その手段の一つが「POP(Point of Purchase)」です。商品名と値段だけではなく、顧客の心を動かし購買行動につなげるPOPを作成するためにはどうすればよいのでしょうか?今回は、顧客の潜在的ニーズに応えるPOPづくりについて解説します。
感性マーケティングの活用
顧客の心を動かすPOPを作るには感性マーケティングを活用することが重要です。感性マーケティングとは、顧客の感情や感覚に訴えることで、購買意欲を高めるマーケティング手法です。顧客の潜在的なニーズや欲求を理解し、顧客が抱える問題に対して、どのような価値を提供できるのかをPOPに表現することで、顧客の心を動かし、購買行動につなげることができます。
売れないPOPの特徴

1. 顧客の感情に訴えかけていない
顧客の感情に訴えかけないPOPは、商品の魅力を十分に伝えられません。感性マーケティングでは、顧客の感情を動かすことが購買行動を促進する鍵です。例えば、商品がもたらす感動や喜び、安心感といった感情を喚起するメッセージが欠けていると、顧客の関心を引くことができません。
2. 具体的なメリットを伝えていない
顧客が商品を購入する際に重要視するのは、その商品がもたらす具体的なメリットです。売上につながらないPOPは、商品の特長や利点を具体的に伝えていないことが多いです。「高品質」「お得」といった抽象的な表現ではなく、「30分で調理が完了する」「敏感肌でも使える」といった具体的なメリットを強調することが必要です。
3. デザインが魅力的でない
感性マーケティングでは、視覚的な魅力も非常に重要です。売上につながらないPOPは、デザインが平凡で目を引かないことが多いです。視覚的に魅力的なデザイン、色彩、フォントを使用し、顧客の目を引く工夫が必要です。例えば、カラフルな配色や大きな文字を使って、遠くからでも目に留まるようにすることが有効です。
4. インサイトに基づいていない
顧客の潜在的なニーズや欲求(インサイト)を無視したPOPは、売上につながりません。感性マーケティングでは、顧客のインサイトを深く理解し、それに応える形で商品をアピールすることが求められます。顧客が何を求めているのか、どのような問題を抱えているのかを理解し、それに応えるメッセージをPOPに盛り込むことが必要です。
5. 購買行動を促進する仕掛けがない
売上につながらないPOPは、顧客の購買行動を促進する仕掛けが欠けています。「今だけ限定」「特典付き」「残りわずか」といった、顧客に今すぐ行動を起こすように促す要素が不足していると、購買の決定を先延ばしにされてしまいます。購買を促すための明確なアクションを示すことが重要です。
心を動かすPOP作りの秘訣

1. 顧客のインサイトを理解する
まずは、顧客のインサイト、つまり潜在的なニーズや欲求を理解することが重要です。顧客がどのような問題を抱えているのか、どのような価値を求めているのかを深く掘り下げることで、その解決策としての商品をどう伝えるかが見えてきます。例えば、美容商品を販売する場合、単に「肌がきれいになる」とだけ訴えるのではなく、「忙しい朝でも簡単に使える」「敏感肌でも安心して使える」といった、顧客の具体的な悩みに応えるメッセージを組み込みます。
2. エモーショナル・アピール
商品を買うかどうかの決定において、感情は非常に大きな役割を果たします。小阪裕司さんは、顧客の感情を動かすことが購買行動を促進する鍵であると述べています。POPにおいても、感情に訴えかける要素を取り入れることが重要です。例えば、季節限定の商品であれば、「夏の思い出をさらに特別なものにする○○」というように、季節感や特別感を強調することで、顧客の感情に訴えかけます。
3. ストーリーテリング
商品にまつわるストーリーを伝えることで、顧客はその商品に対して親近感を持ちやすくなります。例えば、手作りの雑貨を販売する場合、その商品がどのように作られたのか、製作者の思いや背景などをPOPに盛り込むことで、商品に対する理解と共感が深まります。ストーリーテリングは、顧客が商品に感情移入しやすくするための強力な手段です。
4. 五感に訴える
POPは視覚に訴えるだけではなく、他の感覚にもアピールすることで、より強い印象を与えることができます。例えば、食品を扱う店舗では、実際に試食を提供することで味覚に訴えたり、香りを漂わせることで嗅覚に訴えかけたりすることが効果的です。また、POPのデザインにおいても、触り心地の良い素材を使ったり、視覚的に魅力的な色やフォントを使用することで、顧客の五感を刺激します。
5. 明確で魅力的なメッセージ
POPのメッセージは、簡潔でわかりやすいものであることが重要です。顧客が一目見て理解できるようなキャッチコピーや、商品の特長を端的に表現するフレーズを使用します。例えば、「驚きの保湿力!」「今だけ限定価格!」といった具体的で魅力的なメッセージを用いることで、顧客の興味を引き、購買意欲を高めます。
6. 顧客の行動を促す
最後に、POPは顧客に具体的な行動を促すものである必要があります。「今すぐチェック!」「限定数残りわずか!」「特典付き!」など、顧客に今すぐ行動を起こすように促すメッセージを含めます。これにより、顧客の購買意欲を瞬時に引き出し、購買行動へとつなげることができます。
まとめ

売れるPOPを作成するためには、単に商品名や価格を提示するだけでは不十分です。顧客の感情に訴えかけるデザイン、五感に訴える要素、エモーショナルなコピーライティング、商品独自の特長を強調することが重要です。感性マーケティングを参考にし、顧客の心を動かすPOP作りに挑戦しましょう。これにより、商品の魅力を最大限に引き出し、顧客の購入意欲を高めることができます。
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