top of page

もう辞めてしまいたい!後継ぎ経営者が抱える問題と対処法について

更新日:1 日前


 

中小企業の経営において、親から事業を引き継ぐ後継者は多くのプレッシャーを抱えています。事業を継ぐという決断は、一見すると順調に見えるかもしれませんが、実際には多くの困難が伴います。「もう辞めてしまいたい」と感じることも少なくないでしょう。この記事では、後継者が抱える主な問題点とその対処法について詳しく説明します。


1. 親との価値観や経営方針の違い


親と経営方針の違いで悩む後継者

問題の背景

親子で事業を引き継ぐ際に最も多く見られる問題の一つが、親との価値観や経営方針の違いです。長年にわたって築かれた親のやり方に対して、後継者が新しいアイデアや戦略を持ち込もうとすると、衝突が生じることがあります。親世代が伝統的な方法を重視する一方で、後継者は市場の変化に対応するための新しいアプローチを試みたいと考えることが多いです。このような対立が続くと、後継者は次第に意欲を失い、事業継続に対する不安を感じるようになります。


対処法

価値観や経営方針の違いを解消するためには、まず親とのコミュニケーションを深めることが重要です。定期的に意見交換の場を設け、お互いの考えを理解し合う努力をしましょう。親が大切にしている伝統や経験に対する敬意を示しつつ、新しいアイデアや戦略を導入するための妥協点を探ることが必要です。


また、第三者の意見を取り入れることも有効です。外部の経営コンサルタントやメンターを招き、客観的な視点からアドバイスを受けることで、双方の意見が調整される可能性が高まります。


2. 経営ノウハウが無い

問題の背景

事業を引き継ぐ後継者にとって、親の経営ノウハウを引き継ぐことは一つの大きな課題です。親が長年にわたって蓄積してきた知識や経験は、書籍やマニュアルでは伝えきれない部分が多く、後継者が自分で学び取らなければならないことが多々あります。しかし、経営の経験が浅い後継者にとって、突然全責任を負うことは大きなプレッシャーとなり、ストレスを感じる原因にもなります。


対処法

経営ノウハウを身につけるためには、親の仕事を見学し、積極的に参加することが重要です。日常的な業務や重要な意思決定の過程に関わることで、親の経営スタイルを理解し、自分のスキルを磨くことができます。また、外部の経営セミナーや講座に参加することで、実践的な経営知識を補完することも効果的です。


さらに、先代が持っている暗黙知を体系化する努力も必要です。業務プロセスや意思決定のフローを文書化し、次世代に引き継げる形にすることで、経営ノウハウの継承がスムーズに進むでしょう。


3. 従業員との関係性

問題の背景

親から事業を引き継ぐ際に、従業員との関係性が大きな課題となることがあります。特に、親が長年かけて築いた従業員との信頼関係をそのまま引き継ぐことは容易ではありません。新しい後継者が就任すると、従業員はそのリーダーシップに対して不安や疑問を抱くことがあります。また、後継者が新しいアイデアや経営方針を導入しようとする際、従業員が変化に対して抵抗感を示すことがあります。


このように、従業員は後継者に対して、不安や疑問を持ち、時には抵抗しようとすることが発生いたします。そのため、新しい経営者としての立場を確立するためには、従業員からの信頼を得ることが不可欠です。


対処法

従業員との信頼関係を築くためには、まずはコミュニケーションを重視することが重要です。従業員一人ひとりと対話を重ね、彼らの意見や要望を尊重する姿勢を示しましょう。特に、年齢や経験が上の従業員との関係を良好にするためには、彼らを尊重しつつ傾聴の姿勢を示すことが必要になります。


リーダーシップを発揮する際には、自分の意思を強く示すと同時に、従業員の意見を尊重する柔軟性も持ち合わせることが重要です。リーダーシップを発揮しようとして、何でもトップダウンで指示を出しているだけでは従業員は動いてくれません。まずは従業員と共通の目標を示し、それを丁寧に説明、説得することでチームの一体感を醸成することができます。


また、従業員の育成にも力を入れることが大切です。従業員のスキルアップを支援し、彼らが自己成長できる環境を整えることで、組織全体のモチベーションが向上し、後継者への信頼も深まるでしょう。


従業員との関係性を深めるために、社内イベントや研修を企画することも効果的です。共通の目標に向かって協力し合う場を提供することで、チームの一体感を醸成し、より強固な組織を築くことができます。


4. 相談できる相手がいない


一人で悩み頭を抱える経営者

問題の背景

後継者が直面する問題の一つに、「相談できる相手がいない」という孤独感があります。親との関係性が良好であっても、すべての悩みを打ち明けることが難しい場合があります。また、親がまだ現役で経営に関与している場合、後継者としての悩みを相談すること自体が難しいと感じることも少なくありません。このような状況で、後継者は孤独を感じ、プレッシャーが増大することがあります。


対処法

相談相手を見つけるためには、社外のネットワークを積極的に活用することが有効です。例えば、同業他社の経営者や異業種交流会に参加することで、同じような悩みを持つ経営者と知り合う機会が増えます。こうしたネットワークを通じて、信頼できる相談相手を見つけることができれば、悩みを共有し、建設的なアドバイスを受けることができます。


また、経営コンサルタントやメンターを活用することも一つの方法です。客観的な視点からプロのアドバイスを受けることで、自分では気づかなかった問題点を発見し、適切な解決策を見つけることができるでしょう。特に事業を引き継いだばかりの時は、経営のノウハウも無い状態で運営をしていかなければならないので、多くの問題を抱えがちです。後継者は経営に集中できなければ、事業を安定的に成長させることも難しくなってしまうので、早い段階でサポート相手を探すことが重要になってきます。


まとめ

後継者が抱える問題は、価値観や経営方針の違い、経営ノウハウの不足、従業員との関係性、そして相談相手の不在など、多岐にわたります。しかし、これらの問題に対して適切な対処法を講じることで、後継者としての役割を果たし、事業を成功に導くことが可能です。重要なのは、問題を一人で抱え込まず、周囲のサポートを受けながら前向きに取り組む姿勢です。親から引き継いだ事業をより良いものにするために、後継者としての成長を目指しましょう。


経営の困りごとはリットコンサルティングにお気軽にご相談ください

経営コンサルティング唯一の国家資格である中小企業診断士が、御社の悩みに寄り添い解決策をご提案いたします。「どの補助金を活用すればよいのか分からない」、「売り上げの伸ばし方が分からない」、「財務体質の改善をしたい」など、困りごとがありましたら、まずはお気軽にご相談ください。



リットコンサルティング合同会社代表写真

中小企業診断士
​田村雅紀

地方移住をきっかけに、ブランドCEOから中小企業診断士にキャリアチェンジ。

​広島の中小企業の経営者の悩みを一緒に解決していけるよう、伴走支援を行っています。

掲載記事

タグ

bottom of page